家具の製造工程|木材の選定から仕上げまで一貫して行う飛騨の家具作り


飛騨の家具はデザイン、実用性、耐久性などあらゆる面で、昔から国内の家具産業の中核を担ってきました。

特に無垢材の家具は、何十年先まで使い込むことで使うほどに味わいが増し、まるで家族の一員のように暮らしに寄り添ってくれます。
今回は、そんな「一生もの」の家具がどのようにして生まれるのか、木材の選定から仕上げまで、一貫して行う飛騨の家具作りの工程を順を追ってご紹介します。

飛騨の家具づくりのこだわり

飛騨地方は、豊かな森林資源だけでなく、古くから続く匠の木工技術で名を馳せてきました。

幾世代にもわたる職人の知恵と技術の積み重ねが、シンプルでありながら奥深いデザインと、堅牢かつ美しい仕上がりを可能にしています。
素材の個性を最大限に活かし、木目や色合いの違いを楽しめるのも飛騨の家具の魅力のひとつです。

木材の選定

最初の要となる作業が「木材の選定」です。
私たちは長年取引のある信頼できる木材屋から、時には丸太の状態で材料を仕入れています。

そこで行うのは、ひとつひとつの材を厳しく見極める作業。サイズや木質、節の位置や反り、乾燥具合などを職人の目と手で丹念にチェックし、工房の師匠の合格基準を満たした材だけを製品化に回します。
数十枚、数百枚のうち、実際に使える良材はほんの数枚ということも珍しくありません。

一見同じように見える木材でも、産地や育った環境、年輪の詰まり方などによって特性は大きく異なります。
良質な木材であれば、乾燥させても反りが少なく、割れも出にくいだけでなく、仕上げた後の木目の美しさや色味の深みが際立ちます。

この最初の選定作業こそが、一生ものの家具の土台を築く大切な一歩なのです。

木取り


選定した材は、しっかりと乾燥させてから「木取り」という工程に入ります。

これは、仕上がりをイメージしながら、どの部分をどのようにカットすれば無駄なく美しいテーブルや小物に仕立てられるかを決める作業です。
木目の向き、節の位置、仕上げ後の自然な形をどう活かすか。経験と知識を活かし、最善の方法を見い出します。

特にダイニングテーブルのような大きい天板は、節や木目が強調されるため、ここでの判断が「仕上がりの印象」を大きく左右します。
まさに「ここですべてが決まる」と言っても過言ではありません。

そのため、ベテランの職人が長年の勘とセンスを頼りに、妥協せずに木取りを行います。

粗取り

木取りで決めた寸法と形状に沿って、いよいよ「粗取り」を行います。

これは、最終的な形よりも少し多めに余裕を残して切り出していく工程です。
大型の機械を使うこともあれば、材の性質によっては手作業で行うケースもあります。

まだこの段階では、仕上げ用の美しい面は現れていませんが、木取りの際に描いた完成像に向けて、一歩ずつ近づいている状態です。
粗取りによって不要な部分を落としていくことで、後の接着や加工、仕上げがよりスムーズに進められるようになるのです。

接着

粗取りした板状の材を組み合わせ、大きな一枚板として仕立てるために「接着」を行います。
単に接着剤を塗って貼り合わせるだけでなく、ビスケットという薄い木製のパーツを溝にはめ込みながら板同士をしっかりと接合します。

その後、ハタガネと呼ばれる強力なクランプで圧力をかけ、一体化させるのです。

ここで気をつけたいのが、接着に適した時間帯や気温を見極めること。
木材は温度や湿度に敏感で、季節や気候によって膨張・収縮が異なるため、接着工程でのコンディション管理はとても重要です。

また、接着後には小さな割れや節を埋めるために樹脂を流し込み、木材が反らないように徹底して管理しています。
こうした細かな気配りが、家具の耐久性や美観につながり、何十年もの使用に耐えうる仕上がりへと導いていきます。

加工

接着を終えた板は、自然の美しさを最大限に活かすために「加工」へと進みます。
無垢材の持つ木目や色味、香りなどの素材の良さを損なわないために、飛騨の家具作りではあえてデザインはシンプルなものが多いのが特徴です。

天板の耳(外縁)も、できるだけ自然な状態で残すようにします。削る部分と残す部分のバランスを見極めながら、慎重に機械や手作業で加工していきます。

例えば料理なども同じで、鮮度が高く良質な食材ほど、余計な手を加えることなく素材本来の旨味を引き出すことが大切だとされます。
余計な手間をかける事で返って素材の良さを消してしまう事すらあります。

塗装

最後の工程となる「塗装」では、丁寧に磨き上げた後に、ベテランの職人が専用のブースで均等に塗装を施すことで、思わず撫でてみたくなるような心地良いテーブルへと仕立てていきます。
塗料の乾燥時間や重ね塗りの回数、そして室内の温度や湿度などを細かく管理しながら作業を進めるため、木目の美しさが一層際立ち、耐久性も高められます。

当店「Blue Leaf」では、基本的にセラウッド塗装を採用しています。セラウッド塗装は水拭きが可能で、輪染みができにくいため、普段のお手入れがとてもラクなうえに長く愛用していただけるというメリットがあります。
もちろん、オイル塗装をご希望の方にはオイル塗装もご用意しておりますのでお気軽にご相談頂ければ幸いです。

まとめ:一貫したものづくりが紡ぐ一生ものの家具

ここまでご紹介したように、飛騨の家具作りは「木材の選定」から「仕上げ」までを一貫して行い、妥協のない職人技によって完成します。
良質な木材を仕入れるところから始まり、木取り、粗取り、接着、加工、そして仕上げと、細やかな工程を積み重ねることで、初めて本物の家具が誕生するのです。

時代を経ても古びるどころか、さらに深みを帯びた風合いを楽しませてくれる無垢材の家具は、私たちの暮らしに寄り添いながら、代々受け継がれていくことができます。
作り手の想いがこもったその家具には、他にはない温かさや特別感があります。

もし、本当に良いテーブルやチェアをお探しならお気軽にお店にお越しいただき、ぜひ飛騨の家具をお試しください。
心よりお待ちしております。

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